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2008年06月13日

Cassandra Wilson "Loverly"

カサンドラ・ウィルソンが現代を代表する女性シンガーの一人であることは議論を待たないことだとしても、ここ数年の彼女のアルバムは些か冒険が過ぎていたと思うのはボクだけでしょうか。彼女の歩みは既にジャズの世界を大きくて超えて、もはやオルタナティブという便利な言葉でしか表現できない領域であったように感じます。その結果、ボクとしては罪悪感を感じながらもプレイリストから往年の名盤を選んでしまったり、あるいは待望の新作を何度も店で試聴した挙げ句買わずに帰ったりする羽目になったのです。彼女が歌うストレートなジャズが聴きたい、そんな想いが募る折に突然彼女から届いた新譜は、まさかまさかのスタンダード集なのでした。

Loverly

企画ものでもなくオリジナルアルバムでカサンドラが歌う"黒いオルフェ"が聴けるだなんて、それにタイトルトラックの"Loverly"って映画『マイフェアレディ』で流れるアレですからね。まるでカサンドラがお花畑を舞うかの如く能天気なナンバー。ただただスタンダードが聴きたかったボクには、おかげさまで今日も幸せな時間が流れますよ。ああ、今日も朝から"黒いオルフェ"がパワープレイ。どんだけ陰気くさい我が家なのでしょうか。

そんなわけで純度の高いジャズヴォーカルをお求めの向きにはピッタリだと思います。

でもカサンドラ、浮かれついで勢いで言わせてもらうけど、その鮮やかな青いドレスは、やっぱり些か冒険が過ぎていると思うよ。

試聴はこちらからどうぞ。
もしくはCassandra Wilson - Loverly

2007年12月27日

訃報 宮内和之氏@"ICE"

ICEのギタリスト、宮内和之氏が先日お亡くなりになったそうです。わずか43歳でした。

実はそんなにファンというわけではなく、CDに至ってはたったの1枚しか持っていませんが、それでもその1枚は愛聴盤といえるものだったので少なからずショックを受けました。

ICEは昨今の音楽シーンの中ではそれほど強い存在感があるわけではないでしょうが、90年代中盤にはその洗練されたサウンドで名前の通り圧倒的にクールな存在でした。後にメジャーレーベルを離れて活動したことも、その”孤高”なイメージをサポートしているのかもしれません。また宮内氏個人に関してはウルフルズや斉藤和義といったミュージシャンとも深い親交があったようで(参照:wikipedia記事)、ファンのみならず業界内においてもその訃報は大きなインパクトをもって迎えられたのではないかと思います。

ボクといえば、大学時代の所謂"こじゃれた渋谷系サウンド全盛期(ex:オザケン)"にICEをクルマに積んでおくことが大いに自尊心を満たしてくれたようなことを記憶しています。洋楽でなくあえてカッコいい邦楽、そんなくだらないことを考えて幸せになれた時代でしたが、そんなことは本当にどうでもよくって、とにかくその時代にICEがクールでセクシーなおかつ情熱的という国内ミュージシャンにおける希有な存在であったことには疑う余地がありません。ホンマにカッコよかったなあ…。

謹んでご冥福をお祈りいたします。


ICE - We're In The Mood

ICE 15th ANNIVERSARY BEST ALBUM(DVD付)
ICE 斉藤和義 宮内和之 Judy.K.GOLDBAcC 国岡真由美 Gary Kemp
UNIVERSAL J(P)(M) (2007/09/26)
売り上げランキング: 33

2006年07月24日

【今日の踊るヒット賞】菅井君と家族石"THE PERFECT"

いやー、雨うっとおしいですね。おかげで肺の具合が激しく悪いです(低気圧に弱いのね)。まぁでもそんな諸々の鬱陶しさを吹き飛ばしてくれるゴキゲンなDVDが届いたので早速紹介しましょう。

菅井君と家族石 The Perfect

もちろんスライ&ザ・ファミリー・ストーン の存在を知らない方にとっては「?」な作品名なのですが、内容の方は何も知らなくても笑えます。何故か島根県に住みつくアフロアメリカン(あえて「黒人」とは書かないぜ、って書いちまったぜ、おい)5人家族の物語。家族全員無職なので、飼い犬まで食ってしまうというブラックぶりです。とりあえず野生の生き物は全部食べます。36歳のお兄ちゃんは仕事を辞めてモノマネ四天王を目指しています。そんなショートストーリーが全部で20本+α入ってます。もう死にそうです。でも笑いの中にいつの間にか涙が…全然出ません。

ちなみに一番オススメの登場人物は、世界的に有名な5人組兄弟バンド”ジャクチョー5”のメインボーカルのマイケル・ジャクチョーです。なんつっても顔と声が瀬戸内寂聴です。

ちなみに興味をお持ちになったアナタFLUX(←クリック)で何話かタダ見できるみたいですよ。

ということで、大笑いして雨のジメジメを吹き飛ばしてくださいね。それではSly & The Family Stoneの"Higher"でお別れです。シーユー。

2006年06月06日

アンジェラ

邦楽はあまり得意ではありませんが、これはちょっとやばいかもですよ。

2005年12月20日

CONFESSIONS ON A DANCEFLOOR(Madonna)

「新しいの出るのね」程度にしか認知していなかった頃に瑠璃子嬢のエントリを拝読し、「なるほど、そういう観点で見ればホントに偉大ね、新作も聴いてみようかしら」なんて考えを改めてみたわけですよ。とはいえ結局その「新しいの」を買うまでには思考が至らないまま別件で行ってみたヤケに老人が多い住宅街のHMV、ここで"Hung Up"のビデオクリップを見た瞬間に脳内で何かが溶けちゃったんですね。もう、たまらん、と。(そのとき手にしていたブライアン・イーノのCDをわざわざ戻してこっちを買ったわけでして)

ところで6年間もインターナショナルスクールもどきで育ったボクですから、「マドンナ」だなんてチューボーのような陳腐な表記は用いません。あえてカナ表記するにしても「マダーナ」ですよ。口に出すなら「ダ」に思いっきりアクセントを置いて「マーナ」。MacDonaldも同じく「ダ」にアクセントを置いて「マクナー」(*1)です。それが帰国子女クオリティ(*2)。

で、そのマドンナ(え?)の最新アルバムがこの"CONFESSIONS ON A DANCEFLOOR"であります。

先に触れた瑠璃子嬢のエントリを読みながら「そうなんだなー、"Ray of Light"とか"Music"とか、マドンナは近年のフロア系が特にいいんだよなー」などと独りごちておりましたが、ボク自身にそういう嗜好があるということを理解して頂けるとすれば、今作は2005年の音楽界におけるベストアルバムだとしても気持ちは分かってもらえそうな気がします。それほどまでに出来がよい一枚なのであります。まぁ本人も言うてはるけどね。あるいは「多様性に富んだ実験的なアルバムよりも、一本芯の通った骨太なコンセプトアルバムが好き」というまたもやボクの普遍的な好みが大きく影響していることもついでに補足します。まぁ結局好みなんて内省性が高いからこそ好みなんですけどね。いずれにしても"Hung Up"でやられた方は安心してアルバムを買えると言うことはここで保証しておきましょうね。

そしてこのアルバム、世間的にも評価が高い一方で、大仁田じゃなくて大ネタのサンプリングという手法に異議を唱える向きもありますが、そういったケースにおいては、ABBAなんて大ネタを持ってきてもマドンナがやればこんなにカッコイイじゃないか、と真っ向から反論してみたくなります。あるいは、この曲自体がサンプリングという手法に対するある種のアンチテーゼだという見方をしてみたいところ。そういえば先日MTVでマドンナPV特集やってましたけど、なんと番組としての尺が全部で5時間以上もあったんですね。これだけ長い間第一線はってるマドンナはすごいと改めて思いましたが、それほどまでにキャリアがあることを考慮すれば、何も安直にヒット曲を欲しがらなければならないような事情なんてあり得ない(所属会社の事情は知らん)でしょう。すなわちセルアウト的な意図でサンプリングにすがったなどとは笑止なのであります。

と、いろいろ書きましたですが、とにかく2005年のベストアルバムのひとつには間違いないところですから、一度お時間があるときにでもじっくり試聴してみてくださいな。2,3曲くらいぶっ通しでイッてもらうとなお良いかと思われます。マドンナにはカラダが動く限り踊り狂っていて欲しいっすね。


*1たぶんネイティブの人でも「マクダナー」なんて言わないと思います
*2帰国子女の多い学校ではありましたがボク自身は大学まで海外に行ったことがなかったというプロレタリアートに過ぎません


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