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2009年12月29日

おやすみプンプン 第6巻

前回は少し辛口にレビューしましたが、続きの第6巻が発売になりました。極力ネタバレなしでいきます。

先日のクリスマスイブの夜に、パーマを定着させるために帰宅を遅らせようと入った映画館ではボク以外の全ての客がカップルで、思わず溢れたかもしれない涙を隠してくれたのは3Dメガネでした。そうです、『アバター』観たんです。

その『アバター』、筋は要するに『ポカホンタス』です。まぁ『ポカホンタス』の話もあまり覚えてないし、恋が成就するとかしないとかの違いはあった気がしますが、「侵入者と原住民」というプロットは同じで、『アバター』の話の中身としては特別面白いものは感じませんでした。ただ、そのプロセスを見せる手法には心底驚かされました。映画とかアニメーションとか3Dとか、そういった既成概念を全て超えているというか、革新的すぎてどう表現して良いのか分からないのです。映画というフレームがメジャーアップデートした感じ、とでも言えば良いのでしょうか。

ということで、今回は映画『アバター』のレビューをお届けしました。じゃなくて。

そのフレームというものを考えたとき、このおやすみプンプンはマンガというもののフレームを早くからアップデートしにかかっていたんだなーと思います。その試みの面白さだけで充分おなかいっぱいだったわけですが、第5巻では完全に「物語」が始まったことで、フレームの面白さだけを楽しもうとしていたボクには拒絶反応が出てしまった、ということが前回の挑戦的なレビューの核だったと今になって気づかされます。

そしてようやく第6巻のお話。いきなりお母さんが病気になるんですが、この病気がなんと「肺気胸」でして、完全にボクの経験とカブりました。術後に神経がピリピリするところとかは実に緻密な描写でして、おそらく作者かその近辺に居る人が気胸になったんだろうと思います。

まぁそんなことはさておき、第6巻でのハイライトは、母親のダメ人間ぷりが念押しされていることと、そのDNAを引き継いだのか環境による後天的なものなのかは分かりませんが、プンプン本人までもがダメ人間であることが露呈したこと。プンプン本人の自我がいよいよ垣間見えてきたことで、誰もが共感性を持ち得て感情移入できた「主観」の物語から、悲劇性を帯び始めた「客観」の物語へと変容していきます。

書店では発売日に新刊コーナーを独占し、オマケ付きの限定版はすぐに売り切れるほど、超メジャー作品になった本作、人気と共に、いよいよ浅野いにおが本気で牙をむきはじめた感があります。

ということで、オマケのプンプン↓ 撮るときに足が変な方向に曲がっちゃったyo
091229pp.jpg

最後に、おやすみプンプン第7巻は2010年夏頃の発売だよ。

2009年08月10日

「夜は短し歩けよ乙女」

あまりに話題になっていたので読んでみたらすごく面白くて、1週間で2回も読み返してしまいました。

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見 登美彦
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 233

舞台が京都大学なので、京都に縁のある人ならとても楽しめます。北白川別当町とかがしれっと出てきます。ということは京都の人なら迷わず読むべし。諸君、異論があるか!?あればことごとく却下だ!!(*)

*という台詞が出てくるんですよ。お気に入り。

2009年07月29日

yugop in 雑誌

インタビュー、おもしろかったです。

2009年07月08日

BREASTS 乳房抄/写真篇

最近拙のblogにおいては、「おっぱい」という言葉を使うことにいささかの躊躇もなく、冷静に考えてみればもはや引き返せない域にまで達してしまったことを痛感する次第で、「思えば遠くへ来たもんだ♪」とでも口ずさみたくなる今日この頃です。

が、しかし、こんなものを見つけてしまっては、「おっぱい」という言葉に改めて多大なるアート性を感じずにはいられません。

BREASTS 乳房抄/写真篇
BREASTS 乳房抄/写真篇
posted with amazlet at 09.07.08
伴田良輔
朝日出版社
売り上げランキング: 478

赤ちゃんの目線でひたすら女性の胸にクローズアップした写真集です。急速に支持を集める貧乳派が永らく続いた巨乳派と美乳派の連立政権を覆しそうな昨今ですが、この写真集を見て偉人の言葉を思い出しました。曰く、

ボインは、赤ちゃんが吸うためにあるんやで、お父ちゃんのもんとちがうのんやで、


なお作者の伴田さんは京都出身ということでよりアートな感じがしますよね、と言ってみて間接的に自分を持ち上げてみます。

ちなみに近場で申し上げればブックファースト京都店やジュンク堂なら立ち読みも出来ます。でもこんなアートな本を人混みのなかで立ち読みだなんて、ボククラスでようやくチャレンジできる荒技なので、そんな勇気のない方はAmazonでどうぞ。あ、ジュンク堂京都BAL店なら、店の構造上、隠れてエロ本を立ち読みしている気分がやや味わえるのでオススメです。あと最近優木まおみがかわいすぎて、勇気と打つつもりが優木と変換されたことはあまり言いふらさないでください。

以上、雨で憂鬱な気分を吹き飛ばすような、さわやかなアートの話題をお伝えいたしました(正直に申し上げて、ほんの少しだけふざけて紹介しましたが、写真集自体は素晴らしく美しいので是非一度ご覧になってください)。


ああ、またコメントがつかないようなこと書いてしまった。

2009年07月02日

2009年02月05日

おやすみプンプン 第4巻

待望の第4巻発売です。今度はグリーンなの。

おやすみプンプン 4 (4) (ヤングサンデーコミックス)

うーむ、見た目はヘナヘナな落書き程度のプンプンのくせに、重い、重いぞー。

僕は… …ただ漠然とわからなくなったんだ… 人と人が自我という棘で傷つけ合いながら… それでも人間が生きていく理由が… …人間なんてっ!!

プンプンの叔父、雄一の独白は続きます。重い。一方その頃、プンプンも立派な中2病。

プンプンはこの時、 なぜかふいに 非常に嫌な予感が していました。

今までも、
これからも。

自分の人生というのは
何一つ思い通りには
いかないように
出来ているんじゃないか、と。

こんなに重くて苦しいのに愛おしくて仕方ないのは、
きっと誰しもが抱えている、何故か孤独だったあの頃の自分、
そこにプンプンの姿が重なるからではないでしょうか。

…プンプンも、 今日がこんなに苦しい一日だったなら、 明日はとんでもなく 楽しい一日が待ってるに 違いないと思うのです。

中略

…それはもう祈るような気持ちで。
…でも一体何に?

…とりあえず、
今日はもう
おやすみ。
プンプン。

ところで、うちのblogもいっちょまえにアクセス解析なんかしているのですが、
圧倒的に多いサーチワードは『おやすみプンプン 第4巻』なんですよね。
なのでもう書いておきます。

『おやすみプンプン 第5巻』は2009年5月末頃(追記:6月30日に変更)発売予定だよ!!



2008年06月11日

おやすみプンプン 第3巻

そっか、初夏発売っていうのだけ覚えていたけど、もう季節は初夏なんですね。

おやすみプンプン 3 (3) (ヤングサンデーコミックス)

第1巻から第2巻での加速っぷりは衝撃でした。

『人がどれだけ
求め合っても
傷つけ合っても、

完全にわかり合えない
のだとしたら、

一体何を信じてゆけば
いいのだろう?』


とか

『「幸せ」とはその「瞬間」であって 恒久的なものでは決してないから』


とか、おおよそプンプンの風貌からは想像出来ないような、心に刺さるフレーズが満載だった2巻。
そしてその世界は、この3巻で更に深層へと潜り込みます…。心が折れやすい人は要注意ね。

もしも生きることの意味が「償い」なのだとしたら、
その出口の見えない闇に絶望するも良し、
それでも歩みを止めない"人という生き物"を愛おしく感じるも良し。
それはきっと、人類に残された最後の自由、なんつって。

さあいよいよ急展開の第4巻の発売は…ええっと、いつ頃か書いてないです。
しかしヤンサンは今秋で休刊ということ、プンプンの連載に影響がないことを切に祈っております。

2008年01月28日

おやすみプンプン 第2巻

以前に全力で褒め称えた浅野いにおの『おやすみプンプン』の第2巻が発売されています。

おやすみプンプン 2 ストラップ付き限定版 (2) (小学館プラスワン・コミックシリーズ)

上でリンクしたのは携帯ストラップのおまけ付バージョンです。通常版はクリックの後にきっと関連商品として出てくると思います。内容の方はちょっとびっくりなギアチェンジ、おしっこするとかしないの話ではありませんでした。前回は「シュール」とか「ホロリ」とかぬるい紹介をしてしまったのですが、どうやらここからがいよいよ浅野ワールドに突入の模様です。登場人物と読者を突き放すような第三者的でリアリズムに徹した展開、これは繰り返される日常との戦いの記録なのかもしれません。笑いとか癒しとかを求めて第1巻を楽しまれた向きはこの第2巻で裏切られるんじゃないかと思います。

2007年10月26日

おやすみプンプン

おやすみプンプン 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)
おやすみプンプン 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)

浅野いにおのマンガが好きで、ちょろちょろ買い集めて読んでいるのですが、一番最近買った「おやすみプンプン」は、Myマンガ史上最高傑作といっても良いマンガ。知らない方のためにちょこっとネタふりすると、

  • 主人公(プンプン)は多感な小学5年生
  • 主人公(プンプン)は初恋だって経験済み
  • でも主人公(プンプン)はどう見ても鳥。

  • 主人公(プンプン)の家庭環境は複雑。
  • 主人公(プンプン)の父親は母親に暴力をふるう
  • でも主人公(プンプン)はどう見ても鳥。

  • 主人公(プンプン)はどう見ても鳥。
  • 主人公(プンプン)の家族もどう見ても鳥。
  • でもそれ以外の登場人物は全部人間。

  • ってな感じです。大きなマンガ屋さんに行けば一話くらい読めるようになってるところがあると思うので、シュールさにバカ笑いしつつもホロリとしたい方は是非お手にとってみてください。

    ちゅーか、今日び漫喫とかネカフェに行くんですかね。一応上の画像でアフィっておきます。

    2006年01月30日

    すてきなタランティーノ

    今週号のNewsweek日本語版は、これまでの貴重なインタビューを一気に掲載するという意欲的な特集。昭和天皇のインタービューなんかが読めて非常に興味深いわけですが、

    newsweek2.jpg

    「キル・ビル」公開直前のタランティーノのインタビューが大変に良い味出してます。以下抜粋。

    <「キル・ビル」が寄せ集め映画だという軽い批判に対して>
    ―「おいしいところ取り」をねらったということ?
    そう、そう、そうなんだ。(以下略)
    ―といっても、その「いいところ」も、見覚えのあるものの再利用であることに変わりはない
    はい、はい、おっしゃるとおりです。(以下略)
    <アクションシーンの話題>
    ―言いたいことはわかる?
    はい、はい、よーくわかる。
    ―断片の寄せ集めでしかない。要するにインチキなんだ。
    うん、うん、うん。
    ―そんな臨場感は「キル・ビル」よりも強く伝わってきた。「クローザー」のほうが少ないカットで撮っているからだ。
    はい、はい、そうですかい。

    何、この適当な受け答え!めっちゃ誌面割いているのに…。まぁとにかくボクはそんなタランティーノが好きなんです。「ジャッキー・ブラウン」は病院に持って行きます。

    ちなみに今週号ではビル・ゲイツからマイケル・ジョーダン、イサム・ノグチにクロマティのインタビューまで読めます。クロマティって…。

    2006年01月19日

    2006年01月10日

    イスとイヌの見分け方―犬がおしえてくれた本

    年寄りと他人の子供が大嫌い、そんなヒドいことを言うボクでも、将来子供が出来たら読ませたい本の一冊や二冊がございます。その筆頭がこちら。

    isuinu.jpg

    けしてお笑い芸人のネタ本ではありません。真面目に「イス」と「イヌ」の違いについて説明した絵本です。あるいはもう少し突っ込んだ説明が最初のページに書いてあります。

    イスとイヌを 見分けられないヒト いませんか。
    じぶんは ぜったいだいじょうぶとおもっていても ある日 とつぜん イスとイヌが わからなくなるなんてことは よくあることです。
    そんなことになったら イヌは 大めいわく!
    これは そんなヒトのために イヌが おしえてくれた わかりやすいイスとイヌの 見分け方の 本です。

    繰り返しますが、ネタ本じゃありません。若干の受け狙いもありますが、基本的に真剣です。この本では初級・中級・上級とレベルを設けて、それぞれの中でのテーマに基づきイスとイヌの違い、または共通性についてちょっと意外な観点から解説が進んでいきます。素朴で優しい絵と共に(絵だけでも和みます~)。

    例えば初級の「ひろう」

    イスも イヌも すててあるばあいには ひろってきてよい。
    ただし、おいてあるのと まちがえないこと。

    ちなみに、すててある場合とおいてあるの判断基準が絵入りで解説されています。イスもイヌも「よごれ」のアルナイが見分けるポイントのひとつだそうです。次中級の「てーぶる」

    りょうほうとも テーブルの下にもぐる。
    イスは つかわないとき。
    イヌはおこられたとき。

    全く持ってその通り…。テーブルの下にもぐっているイヌの絵がめちゃカワイイ。そして上級の「こども」

    イヌのこどもは いるが イスのこどもは いない。 こども用のイスは あるが こども用のイヌは いない。

    このあたりからちょっと哲学的になってきます。最後上級からもうひとつ。「こわれる」

    イスが こわれたときは こわれたイスという。こわれたイスは しゅうりする。しゅうりしても なおらないときは しかたがないので すてる。
    イヌが こわれたときは けがをしたイヌ、または びょうきのイヌという。けがをしたイヌや びょうきのイヌは ちりょうする。ちりょうしても なおらないときは だいじに そばに おいておく。

    そうなんです。どうしようもなくなったら、大事に側に置いておくのです。大事にね…。

    さてそろそろお気づきかと思いますが、要するにこの本、「物と生き物の違い」について説明する絵本なのです。生き物がいかに愛すべき存在かということを、けして押し付けがましくなく、読みやすく説いた一冊です。子供が読んだときにそんな深いテーマに気づくかどうかは分かりませんが、きっと読む前より読んだ後の方が動物や周囲の人間を大切に思うようになるでしょう。

    そんなわけで、お子さんがいる方はぜひ読んであげてください。深くてじんわりと響く絵本です。もちろん大人が自分のために読むのもオオアリです。

    2005年12月26日

    川満児童文学館

    沖縄ヲ思フ」の方でえらく売れてみるみたいなので調子に乗ってこちらでもご紹介します。

    川満児童文学館

    一日中クルマを走らせすっかり観光疲れしたワタシたちを突如襲った大爆笑の渦…。その理由はラジオで流れていた「サタデーナイトは土~するべき!?」の名物コーナー「川満児童文学館」。そのときの鮮烈と衝撃は今なお忘れることは出来ません。

    ワタシが敬愛する川満シェンシェイがパーソナリティを務めるこの番組、沖縄県内ではあえて紹介するのも気が引けるほどの有名番組(らしい)です。その理由は冒頭にある「川満児童文学館」。子供の頃に書き上げた作文や詩をあえて今振り返り、あの頃はなんとピュアだったのかと半分小馬鹿にしながら心の洗濯をするコーナーです。これがもう、本屋で立ち読み絶対禁止な面白さ(声出して笑ってしまうので)。ちょっと試しに一部ご紹介してみましょう。

    川満児童文学館の続きを読む

    2005年10月18日

    無意識の植民地主義―日本人の米軍基地と沖縄人

    無意識の植民地主義
    ポスコロ本だと言われればそれまでですが、ボクの頭に衝撃をもたらしてくれた一冊であることは間違いありません。沖縄における米軍基地問題は全ての日本人の原罪であるという感覚の存在を教えてくれた一冊です。しかしながら「好きな本か?」と問われれば答えはNO。「あんたは健忘症か」とツッコミたくなるほど同じ人間の言葉ばかり引用していたり、論理的には納得できない情緒的なレトリックが多用されていたりと、人に見せる文章としての煮詰まり具合が甘いです。挙げ句の果て「昨今の沖縄ブームは沖縄文化を搾取している」などというある種の暴論が飛び出す始末(え?暴論でしょ??)。内容の是非を別として、読み通すのがちょっとしんどい本であります。エモーショナルな部分をおさえて、冷静に議論を展開していれば…との思いを禁じ得ません。惜しい。

    ま、そうはいっても、仮にこの本をスルーしていたら、一部の沖縄の方々の非沖縄人に対する厳しい目線の意味合いというのは永久に知覚できなかったかもしれません。そういう意味では必読の一冊なのかもしれません。


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